兵法修行法|伊賀風山流 兵法教室

兵法修行法

兵法を学ぶ

入門後は、段階を踏んで兵法の修行を行うことになります。伊賀風山流の兵法修行法には、「兵書」「陣法」「坐工」「兵談」の4つがあります。ここでは、それぞれの内容をご紹介します。

兵書

軍師になるためには多くの知識が必要です。そのため、兵書(兵法書)の学習が欠かせません。流祖・伊賀風山子は、若くして和漢の兵法書を極め、その要点を整理した上で、自身の工夫を加えることにより、流派の根本伝書である「経権提要」を書きあげました。「経権提要」を学ぶことは、様々な和漢の兵法書を学ぶことでもあります。

さらに、「経権提要」の中では、和漢の兵法書に加えて、歴史書、儒学の経書など多数の書籍が引用されており、これらの書籍を学習することにより、軍師に必要とされる幅広い知識を身に付けるとよいでしょう。

陣法

伊賀風山流では陣法を重視しており、「経権提要」をはじめとする伝書において多種多様な陣法が伝えられています。現在の当流では、各種の陣法を天・地・人の3つの型と奥義である八陣に分けて習練するとともに、それぞれの陣形が持つ意味を学習します。

地の型

築城(城取)は、兵法において重要となる技術であり、また、陣法と共通する部分も多いことから、陣法を学ぶ上で基本となります。地の型では、横矢、馬出、小口、橋、門、堀、屏、櫓など城の構造物ごとに基本となる型とその意味を学ぶことにより、軍師に必要な築城学を身に付けます。

人の型

部隊を宿営させるための営法と、訓練、行軍、戦闘を行うための陣形は、陣法において中心となるものです。人の型では、古来より伝わる様々な営法と、鉄砲足軽や騎馬による陣形、さらに船による行軍や宿営の陣形を学ぶことにより、軍師に必要な陣法の知識を身に付けます。

天の型

軍師には、気象を予測したり、勝敗を占って兵士の士気を高めたりするために、天文学の知識が必要とされます。天の型では、東洋で古くから用いられてきた二十八宿の星座(天官)と、兵法におけるそれらの意味を学ぶことにより、軍師に必要な天文学を身に付けます。

八陣

八陣は、古来、兵家の奥義とされてきました。その淵源は、伝説の時代にまで遡るとされ、今に伝わる八陣は、諸葛亮(孔明)が中原を攻略する際に作ったとされています。伊賀風山流もその伝統を受け継いでおり、八陣では、究極の陣形である八陣を学ぶことにより、兵家の奥義を体得します。

坐工

兵法を学ぶ上での心構えを記した「風山先生禁戒」の第三条には、「武道に志ず者は、専ら坐工すべし。坐工を積むときは、則意ろ金石の如くなることを得べし」とあり、坐工を積むことにより、武士としての心をみがくことができます。

また、兵書や陣法など他の修行の前に坐工をすることにより、雑念を払い、心の乱れをなくし、修行に集中することができるようになります。

兵談

兵法の修行においては、自分一人での独学だけでなく、同門の朋友との切磋琢磨も重要になります。兵談では、和漢の兵法家や戦例について論じ合うことで、兵法への理解を深めるとともに、互いを高め合うことができるでしょう。

故事として、伊賀風山子が加納藩にあった時、儒者・漢詩人として名高い梁田蛻巖が同藩に仕え、風山子の左隣に自宅を賜わったことからすぐに親しくなり、管仲・韓非・孫武・尉繚子を論じ、周瑜の赤壁、謝玄の淝水、織田信長の桶狭間、信玄の戸石、謙信の川中島の緒戦を評したと伝えられています(『蛻巖集後編』所収「顕考赤石教授蛻巖府君行述」)。

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